内田 鋼一Koichi Uchida
陶芸家
作 品
静 謐
静けさにあふれた凛とした空間は、作品が自身を強調しすぎない、けれどどこかゆるぎない存在感を持つ。空間を構成するものは、壁から突き出たL字型の柱と巨大な球体、そして壁面に飾られた9枚の陶板だけ。釉薬を使って鉄錆の質感をだし、彩りも濃い茶や黒など極めてシンプルだ。無機質な建築構造物を思わせつつも、内面にはあたたかさをしっとりと残している。柱や陶板の角が人為的な力によって創造されるもっとも単純な形である一方、球は人間以外の自然界がつくりうる原始的な形として表現されている。こうした両極の物質を同空間に配置することによって、静かなる生命の力を演出しているのだ。
- 作品鑑賞エリア
- 中庭のアート